果物写生帖
くだものしゃせいちょう
大正時代 紙本着色貼付 折本装
花葉写生帖
はなばしゃせいちょう
大正時代 紙本着色貼付 折本装
享保年間(1716〜35)に幕府が実施した全国産物調査や、シーボルトなどによって本格的な西洋博物学が紹介されたことがきっかけで、たくさんの「博物図譜」がつくられた。「博物図譜」は図鑑のようなもので、折本装の本に細密な絵を切り抜いて貼り付けるという手法で制作されたものが多くみられる。『花葉写生貼』と『果物写生貼』は、近代になって作られているが、江戸時代以来の図譜の手法が取り入れられていることがわかる。明治時代になって農学を学んだ立花寛治伯爵は、御花畠の庭園に様々な花々や果物を植えることでその知識を実践しようとした。ここに描かれた花や果物はこのとき実際に植えられていたものと考えられている。