立花家史料館では、立花宗茂と彼をとりまく人々や武具や調度にわたる、あらゆる問題を集めて「立花宗茂検定」を開催いたしました。今年は4月7日(日)第2回検定を実施いたしました。けっして易しい問題ではありませんが、挑戦していただいた皆様の熱意に驚かされることばかりでした。受験を希望しながら参加できなかった皆様のご要望がありましたので、出題60問の中から一部をここでご紹介いたします。
正答率100%の問題から
1) 宗茂が誾千代の婿となる際に実父紹運が記した「覚」の■の部分にあてはまる言葉をa.〜d.の中から選べ。
(前略)…
一、統虎心底見定むる所これ無き事、付けたり■■■■計り難く候事、
已上、
天正九年 高橋主膳入道
十月廿五日 紹運公御判
…(後略)
a. 敬愛の儀 b. 善悪の儀 c. 覚悟の儀 d. 妻愛の儀
正答率0%の問題から
1) 答え d. 妻愛の儀
解説 実質的に人質として養子に入った宗茂ですが、最愛という言葉の意味は難解であり、父紹運の意図を正確に理解することはできません。しかしながら、この一文は宗茂と誾千代の行く末を思うときに何かを予感させるものがありますね。
2) 答え d. 親成
解説 a)正成は朝鮮在陣中の改名、 c)政高は関ヶ原で西軍に属して敗戦後の改名、 ついで同12月頃b)尚政へ改名しています。ちなみにご存じ「宗茂」は、大名の身分に復帰後、3万石に加増された時、つまり未来への希望の光がみえた時の名乗りでした。この名はお気に入りだったのでしょうか、生涯使い続けます。剃髪して立斎と号してからも立斎宗茂(りっさいそうも)と名乗っているくらいですから。
3) 答え d. 弟1人と姉妹4人
解説 弟は、高橋統増、後の立花直次です。4人の姉妹はそれぞれ大友義統の息子義乗の室、宗茂の重臣であった小田部統房の室、宗茂の養女として細川興元の室、道雪の養女として立花賢賀(薦野増時)の息子成家の室になっています。