立花家史料館 Tachibana Museum

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過去の展示

秋のテーマ展「お茶をたしなみ、お香をたのしむ」
 〜千利休がそだて片桐石州がつたえた「わび茶」の道具と、
  王朝文化へのあこがれをあつめた雅な香の道具〜

平成24年9月8日(土)〜12月24日(月)

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お茶とお香は、江戸時代の上級武士にとって修めるべき教養であり、そのために家の格にふさわしい道具が集められました。立花家でも柳川藩主の名に恥じない名品を数多くそろえていたことが、当時の道具帳などから確かめられます。

立花家は今日まで、武家の茶道といわれる石州流を伝えています。片桐石州(1605〜1673)は、千利休(1522〜1591)のわび茶の流れをくんだ茶の湯を展開し、江戸時代の大名たちに広く支持されました。立花家の茶道具コレクションから、石州がとなえた「わび茶」の世界が感じられます。

また、江戸時代には、あこがれの王朝文化のよすがとして、香道がさかんにおこなわれるようになり、武家社会でも教養や趣味として楽しまれていました。立花家には、婚礼調度として揃えられた、姫さまたちの香道具などが残されています。

争乱の戦国時代においても、武将たちはお茶をたしなみ、お香を楽しんでいました。例えば、初代柳川藩主・立花宗茂(1567〜1642)は、勇猛な戦いぶりで知られていますが、当代一流の文化人でもあります。豊臣秀吉(1536〜1598)や徳川家光(1604〜1651)から拝領した茶壺をはじめとする宗茂ゆかりの資料からは、当時の武将たちの文化的な交流の様子を読み取ることができます。また、立花家に伝来した、千利休を筆頭とする著名な茶人が作った茶杓からは、それぞれの個性が感じられるとともに、立花家における茶の湯を通じた交流が想像されます。

このたび、芸術の秋にあわせて開催するテーマ展「お茶をたのしみ、お香をたのしむ」では、5千点にのぼる立花家伝来の美術工芸品のなかから、お茶とお香にまつわる選りすぐりの作品を紹介します。ぜひ、近世の大名文化の豊かさと、現代まで継承されているお茶とお香の世界の奥深さを感じる、馥郁とした時間をお楽しみください。

出品リスト

王朝文化の雅をつたえる香道具
名称 時代 作者/産地 備考
十種香道具 明治時代以降 -  
香木 江戸時代初期 -  
香道具(香割道具) 江戸時代末期
〜明治時代
-  
薫物 不詳 -  
青磁聞香炉 明時代 中国・龍泉窯  
青磁雷文聞香炉 江戸時代末期
〜明治時代
京都  
火舎香炉 江戸時代 -  
染付唐子文香炉 江戸時代後期 長崎・三川内窯  
○菊花文散蒔絵重香合
◇梨地浜千鳥文阿古陀香炉
江戸時代
江戸時代
-  
○金梨地秋草蒔絵扇形香盆
◇黒漆塗松桜鶴亀図蒔絵香割台
江戸時代
江戸時代
-  
茶の湯のなかの香道具「香合」
名称 時代 作者/産地 備考
染付周茂叔香合 江戸時代 京都  
古染付山水人物文香合 台付 中国・明時代 中国・景徳鎮窯  
黄瀬戸香合 江戸時代初期 岐阜・美濃窯  
琵琶香合 江戸時代後期 佐賀・唐津窯  
蜜柑香合 明時代 中国  
印籠形香合 江戸時代中期 熊本・八代窯  
○樹下人物文堆朱香合
◇柳下漁夫文堆朱香合
不詳
不詳
-  
鉄線唐草文蒔絵重香合 江戸時代後期 -  
茶杓に感じる茶人の個性
名称 時代 作者/産地 備考
○茶杓
◇茶杓 銘 旬雨
江戸時代初期
江戸時代初期
千少庵
一翁宗守
 
○茶杓 共筒
◇茶杓
江戸時代初期
江戸時代末期
一尾伊織
小堀宗舟
 
○茶杓 共筒
◇茶杓 共筒
江戸時代初期
江戸時代中期
船越永景
野田酔翁
 
○茶杓 共筒
◇茶杓 銘 羽箒 共筒
江戸時代中期
江戸時代中期
清水道慶
清水道竿
 
○象牙茶杓
◇象牙茶杓
江戸時代
江戸時代
-  
茶の湯のしつらえを楽しむ
名称 時代 作者/産地 備考
一行書「庭前柏樹子」 江戸時代初期 木庵性瑫  
黒漆塗祇園守紋橘紋散らし台子 江戸時代中期 -  
葵紋入皆具 江戸時代後期 - 12代藩主正室・純姫所用
茄子茶入 中国・明時代 中国  
瀬戸天目茶碗 江戸時代 愛知・瀬戸窯  
青磁輪花天目台 明時代末期 中国  
○茶会記「十月二十四日」
◇茶会記「六月十日」「六月十一日」
不詳
不詳
-  
黒漆塗祇園守紋蒔絵膳・飯椀・大平椀 江戸時代後期 -  
色絵花文茶碗 明治時代以降 石川・九谷窯  
○寿字蒔絵盃
◇寿字蒔絵盃
不詳
不詳
-  
蘭図 明治時代 三条実美  
大明竹薄茶器 江戸時代 -  
井戸脇茶碗 朝鮮王朝時代 朝鮮  
織部茶碗 江戸時代 岐阜・美濃窯  
挽茶道具 江戸時代中期 -  
名品に感じる「わび茶」の世界
名称 時代 作者/産地 備考
墨吹茶碗 朝鮮王朝時代 朝鮮  
松葉絵赤楽茶碗 高麗時代
〜朝鮮王朝時代
朝鮮  
瀬戸底面取手茶入 江戸時代初期 愛知・瀬戸窯  
三島唐津暦手耳付水指 江戸時代初期 佐賀・唐津窯  
備前綴目水指 江戸時代 岡山・備前窯  
蟹蓋置 江戸時代初期 木庵性瑫  
一行書 明時代 中国  
蓮の葉被り人形蓋置 江戸時代 -  
立花伯爵家とお茶
名称 時代 作者/産地 備考
色絵萩文煎茶碗揃 明治時代以降 石川・九谷窯  
染付金彩御紋入ティーセット 明治43年(1910)頃 佐賀・深川製磁  
○第28回農産品評会 5等賞状
◇第32回農産品評会 6等賞状
明治25年(1892)
明治29年(1892)
大日本農会
大日本農会
 
戦国の世のお茶とお香
名称 時代 作者/産地 備考
○茶杓 筒:玄々斎精中作
◇茶杓
桃山時代
桃山時代
伝 千利休
伝 千利休
 
○茶杓
◇茶杓 銘 夜雨 筒:又玄斎一灯
桃山時代
桃山時代
伝 蒲生氏郷
伝 古田織部
 
唐物茶壺(呂宋壷) 明時代 中国 豊臣秀吉より拝領
瀬戸茶壺 銘 養老 江戸時代初期 愛知・瀬戸窯 徳川家光より拝領
○曼珠院宮良恕法親王書状
◇半井驢庵書状
江戸時代初期
江戸時代初期
良恕法親王
半井驢庵
重要文化財
貝香合 江戸時代初期 - 初代藩主・立花宗茂所用

○印は前期に、◇印は後期に展示します。
◇印の作品は変更する場合がございますので、ご了承ください。


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