伯爵令嬢が眺めた景色
2012/5/8作業のために、松濤園に船を出す
という話を聞きつけ、
どんこ船好きの史料室スタッフは
「乗りたい乗りたい」と騒いで、乗せてもらいました。
船から見る松濤園は、上から見るのとはやはり雰囲気が違います。
そして、当然ながら水面が近い(堀割で乗ったときよりも近い気がする)。
それだけで、いつもと印象が全く変わります。
それでは、松濤園クルージングのはじまりはじまり。
みなさま、左手に見えますのが、御居間でございます。
写っているのは、14代当主・寛治の居間と書斎です。
正面に見えますのが、鶴をイメージした島でございます。
今回のクルージングで、一番のおすすめポイントがこちら。
(写真では鶴の岩がちょっと邪魔してしまいました)
このときの船頭・Nマネージャー曰く、
植物は南向きに育つから、南からの眺めがよいそうです。
池をぐるりと廻りまして、
最後に見えますのが、亀をイメージした島でございます。
かわいいお花も咲いてます。
亀の島を巡ったところで、クルージングは終了。
みなさま、お疲れさまでした。
堀と違って、松濤園は岩だらけなので、船を細かく操作するテクニックが必要です。
水の中に隠れている岩もあるので
気をつけて先を見ていないと、たまに座礁したりします。
今回、船に乗りたいと言ったのには、「どんこ船好き」という他にも理由がありました。
実は、立花家15代当主・鑑徳の娘であり、16代当主・和雄の妻である文子さんが
松濤園で船遊びをしている古写真が残っているのです。
それを追体験してみたいと思ったのでした。
先頭で船を漕ぐのが文子さん。
後ろにいるのはお友達なのか親戚なのか。
昭和初期頃の写真と思われます。
この頃は伯爵令嬢であった文子さん。
自分の家のお庭なんだから、船遊びぐらいしますよね。
竿さばきは上手そうですが、やはり座礁したりしたんでしょうか。
その頃に比べると、松は大きく育ったけれど、
伯爵令嬢が眺めたのと同じ景色を堪能することができました。