「九州大名家資料研究会」始動
2014/4/3新年度を迎え、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
立花財団は、事業年度が12月始まりですので、いつも通りの月末・月初でした。
とはいえ、いつもと違う初めてのことも実はありました。
時は3月29日(土)。
場所は柳川古文書館。
第1回「九州大名家資料研究会」開催。
わが立花財団では、活動の目的のひとつとして
九州地区の大名家資料研究への支援と連携を掲げています。
そうして、この研究会の事務局を務める運びとなりました。
一言で「大名家資料」といっても、その分野は広大なものです。
文書、典籍、大名道具(いわゆる美術工芸品が主となる)、建築物、庭園、発掘資料などなど。
大名家資料を収蔵する施設の学芸員や、大学などの近世史料の研究者にとっては
従来の研究区分を超えて、横断的に研究を深めていくことが必要です。
各々の資料を大名家資料の中に位置づけし、史料批判を加えながら研究を進め
その成果が、博物館でのより充実した学芸活動への支援となること。
もちろん、この研究会の場が、九州各地域にある大名家資料収蔵館の
学芸員のネットワーク作りの助けとなったり、
大学などに所属する研究者と、実際に資料を所蔵している施設の学芸員との
情報交換の場になったりすること。
そういったことが、本研究会の主旨となっています。
記念すべき第1回のテーマは「大名家資料の収蔵と公開の現況」。
九州各地と山口県から、26名の学芸員・研究者が参加しました。
報告は
それぞれの家に関する資料を収蔵管理している施設。
資料の所蔵者と収蔵管理施設の関係。
資料の目録の形態や公開状況、公開条件。
資料の調査や借用への対応や利用条件。
といった内容を
鍋島家、毛利家、細川家、立花家の資料収蔵館が行いました。
研究会後は、近隣のお店で懇親会です。
ここ「北斗星」は、三柱神社の参道脇にあります。
ちょうどこの日は流鏑馬の前日でした。
雨の中、馬場の整備中。
結構な雨で周囲も水浸しでしたが
翌日には雨も止み、無事に開催されたようです。
雨に煙る柳川の町と満開の桜の景色が一望できる、素敵なロケーション。
「立花財団 御一同様(予約名)」は、中華料理を楽しみながら親睦を深めたのでした。
博物館協議会などで他の美術館・博物館と交流する機会はありますが
「大名家資料」を扱う館同士だと
同じような問題を抱えていたり、同じような感覚を持っていたりして
他にはない連帯感があります。
また今回、大名家資料収蔵館関係者には
甲冑などの資料を「うちの子」と呼んで、愛着を持っている人が割と多いことがわかりました。
(立花家史料館スタッフ調べ)
これから年に数回の会を開催しながら、活発な研究会にしていきたいと考えています。
そしてその成果を、展示などを通してみなさんにお伝えできればと思っています。