特別展「誾千代姫伝説と立花家記」が無事に開会式を迎えた数日後、
ほっと一息つく間もなく、機上の人となり一路東京へ。
立花家史料館所蔵の甲冑類の修復をいつもお願いしている西岡甲房に、
宗茂所用具足の着装用レプリカ制作をお願いしていたのですが、
このたびそれが完成したとのことで、今回はその仕上がりを見にきたのです。
折しもその日は雪と人身事故の影響で、ダイヤは大幅に乱れ
寒風吹きすさぶ東京駅のホームで、長々と電車を待つことに。
そんなこんなで予定をだいぶ過ぎて、神奈川県某所にある西岡甲房に到着。
室内にお邪魔するとそこには
本物と見まごうばかりの甲冑が鎮座していました。
博物館の着装体験プログラム用ということで
鉄・漆など本物と同じ材料で出来ています。
ぴかーんと光る輪貫の漆。
後立の鳥毛は、本物と同じ久連子鶏の羽根を用いています。
光の加減で玉虫色に輝きます。
刀は立花宗茂所用といわれる重要文化財「金熨斗刻鞘大小拵」をもとに
作っていただきました。
そして今回この出来たてほやほやの甲冑を着るのは
立花家17代当主にして、立花家史料館館長・立花宗鑑です。
着せ着けてもらっている姿が殿様っぽい。
臑当(すねあて)、佩楯(はいだて)、籠手(こて)と着けていき
胴を着ける頃には、表情が心なしか凛々しくなっています。
面頬と兜を着けたら、
立花宗茂のできあがり。
「皆の者、これより軍議を行う」
天草・島原の乱の頃の宗茂(当時72歳)は、こんな感じだったのかな。
さて次に着るのは、立花家18代(次期当主)の立花宗和氏。
やっぱり胴を着けると凛々しい顔に。
青年立花宗茂のできあがり。
さすがは190cm超の高身長だけあって、よく似合います。
こちらは関ヶ原の戦いの頃の宗茂?
重さは全体を合わせると、ずっしりの12キロ余り。
本物の材料を使っているので
動いたときに鳴る、がちゃっがちゃっという音が
軽い素材でできたレプリカとは全く違います。
これを着ると不思議とその気になるらしく
2人とも自らいろんなポーズをとって写真撮影をしました。
甲冑の素晴らしい出来栄えに、嬉しい気分のまま
その夜は室長と共に新宿の戦国居酒屋「戦国武勇伝」へ。
ドアをくぐると、当館特別展のチラシとご対面。
広報にご協力いただき、ありがとうございます。
他にも甲冑さん達にお出迎えされました。
つくづく甲冑に縁のある日です。
「戦の始まりじゃ!」「いざ参ろうぞ」
という店員さんのお迎えの言葉に、
ちょっと恥ずかしくなりながら通されたのは「福島正則」
メニューを開くと、裏メニューとしてこんなものが。
堂々と置いてあったので、本当に裏メニューなのかどうかはさておき、
真田幸村、伊達政宗ときたら、
3人目は当然立花宗茂でしょう!
67トリオでしょう!
と2人でつっこみつつ、せっかくなので「赤備えのHOTサングリア」と「勝利の大杯カクテル」を注文。
思った以上の大杯がきて、ちょっとびっくりしました。
さすがは前田慶次のお酒。
串物や蒸籠蒸しをたらふく食べ、その夜は万事満足してホテルへ。
翌朝、ホテル龍名館東京の多機能シャワーと睡眠環境システムのおかげで
すっきりと目覚め、まずは新しくなった東京駅へ。
おのぼりさん気分を満喫。
その後、おしゃれタウン南青山にある「紅ミュージアム」へ。
紅ミュージアムは、江戸時代から続く紅屋である株式会社伊勢半が
創業時からの紅作りの技を伝えるためのミュージアムです。
伊勢半の小町紅は、宗茂兜の鳥毛と同じ玉虫色をしており、
これを水に溶いて使うのですが、
その人の持つ唇の色を反映して発色するので
人によって発色が違うのだそうです。
そんな紅ミュージアムのスタッフさんとは、実は「戦国鍋TV」仲間。
初めてお会いした学芸員さんとも
食事をしながらの鍋トークが大変弾みました。
次はカラオケ(鍋縛り)行きましょうね、と約束して別れ、
すぐ近くにある根津美術館へ。
このときは「新春の国宝那智瀧図」が開催中で(現在は終了)
面白い仏教説話画がいろいろと出ていました。
国宝の展示方法や、ミュージアムショップなど、
参考にしたいこともあれこれあり、勉強になりました。
さて今回の旅はこれにておしまい。
その後、着装体験用のレプリカ甲冑は柳川に送られ、すでに到着しています。
初夏を目処に最初の体験プログラムをご用意したいと思っていますので、
もうしばらくお待ち下さい。
なおこの甲冑は、結婚式でもご利用いただけます。
詳しくは柳川藩主立花邸 御花・ブライダル部門までお問い合わせください。
[おまけ]
帰りの飛行機は嵐ジェットでした。