2010/11/22
11月20日に九州大学の中野等先生による特別記念講演会「武将・立花宗茂の虚像と実像」が開催されました。
当日は、全国から若い方、女性の方にも多くご参加いただき、今までの講演会とはちょっとちがった雰囲気で楽しく始まりました。
中野先生のお話は、とてもわかりやすく、面白くて1時間半はあっという間でした。
展覧会では第一部のテーマが「二人の父―紹運と道雪―」としておりますが、先生のお話は「三人目の父」という衝撃的!?な内容から始まり、思わず身を乗り出してしまいました。
豊臣政権下での小早川隆景とのつながり、つまり毛利家との関係については今まで全く意識したことがありませんでしたので、とても新鮮な内容でした。
この時の強い毛利色が、その後全く消し去られてしまっているというお話にも驚きました。
そして、後半の、浪牢時代の宗茂の心情についての話では、弱音を吐く彼の人間的な一面がよく伝わってきて、かえって親近感を感じました。
私個人的感想を述べさせていただくならば、結局最後に勝ち残る秘訣は、誠実でバランスのとれた人格と長寿、かな…と思った次第です。
宗茂という人は、きっと変転著しい人生に揉まれ、晩年は人の気をそらさない話し上手な人だったのでしょう。会ってみたかったです。
展覧会では、宗茂の書簡もいくつか展示してあり、現代語訳も表示しておりますので、ぜひそういったことを念頭に観ていただければと思います。
タグ: 中野等氏, 講座・講演会
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2010/11/21
特別展の関連イベントとして、11月20日に中野等先生による記念講演会の開催と立花宗茂検定を実施しました。
宗茂検定は初の試みであり、どのくらい参加者が集まるのか不安でしたが、九州各地や四国、関西などから23名の方々にご参加いただきました。
どうもありがとうございます。
宗茂検定の問題用紙
さて、肝心の内容ですが、今回は宗茂の兜のレプリカを最高得点者の賞品として贈呈するということもあり、かなり難易度の高い問題となりました。
そんなわけで少しマニアックすぎたかもしれません。
学芸員の目から見ても、「これは解けないのでは…?」と思われる問題もありましたので、果敢に挑戦していただいた受験者の皆さまには本当におつかれさまでした。
参加者の皆さまへの認定証の発送は12月上旬を予定していますが、最高得点者の発表だけは、11月26日(金)に特別展の特設サイト上で行います。
宗茂兜レプリカは誰の手に渡るのか?
楽しみにおまちください。
もうひとつのイベント、中野先生の講演会の詳細ついてはまた後ほど。
タグ: 宗茂プロジェクト400, 立花宗茂
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2010/11/15
上田秀人先生の「弧闘 立花宗茂」が、第16回中山義秀文学賞を受賞されました!
同賞の公開選考会が行われたのは特別展「立花宗茂」の開会日と同じ、11月13日。何だか運命的なものを感じます。
中山義秀文学賞は、新鋭・気鋭の歴史・時代小説を対象にした文学賞で、主催は中山義秀顕彰会、福島県白河市などが共催しています。
福島県といえば、宗茂は一時奥州棚倉(現在の福島県東白川郡棚倉)に領地を有していました。
最初の石高は1万石、その後、慶長15年(1610)に3万石に加増されています。
宗茂が自らの名乗りを「宗茂」へと改めたのは、この棚倉の領地の加増がきっかけだったようです。
宗茂を主人公にした小説はいくつかありますが、上田先生はこれまで語られてきたイメージとは異なった新しい視点から、独自の宗茂像を描かれています。
まだ、読まれたことのない方は、是非この機会に手にとってごらんください。
タグ: 宗茂プロジェクト400, 書籍
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2010/11/13
開会式のテープカット
いよいよ、特別展「立花宗茂」の開会です。
開催初日は特別展入場ゲート前で、開会式とテープカットを行いました。
昨日に比べるとやや肌寒い一日でしたが、土曜日ということもあって、朝から大勢の方におこしいただきました。
今回の特別展は初の試みであり、いろいろと不安な面もありましたが、関係者の皆さまをはじめ、たくさんの方々のご協力により、無事開催の日を迎えることができました。
展示の面では露出展示の宗茂の甲冑や、重要文化財の剣・長光、初公開の軍旗や軍書など見所満載です。
できるだけ大勢の方に特別展をご覧いただき、宗茂の魅力をもっとたくさんの方に知っていただきたいと思います。
また、御花邸内では「諏訪原寛幸・戦国武将イラスト展」も開催しています。
立花宗茂をはじめ、二人の父の高橋紹運、戸次道雪、そのほか伊達政宗や真田幸村など、人気の戦国武将のイラストを多数展示しています。
御花・売店では、諏訪原氏のイラストを使用したクリアファイルやポストカードも販売中です。
是非お気軽にお立ち寄りください。
タグ: 宗茂プロジェクト400
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2010/11/10
昨日の展示替えでは、甲冑の露出展示の作業を行いました。
宗茂所用の月輪文の甲冑を中心に、その周りを取り囲むように金甲を60頭ずらりと並べてみました。
この金甲は藩主の馬廻りをかためる親衛隊が揃って着用したもの。
宗茂のまわりを親衛隊が取り囲んでいるイメージで展示しました。
展示の様子をちょっとだけお見せします。
この続きは13日から始まる特別展「立花宗茂」の会場で、どうぞごらんください。
タグ: 展示替
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2010/11/9
特別展の展示替え作業がはじまりました。
昨日は一日かけて、展示資料の撤収を行いました。
御花史料館の展示室はうなぎの寝床のように縦に長い部屋で、一見それほど広くは見えませんが、実は展示スペース的にはかなり面積があります。
しかも、人形や人形調度など、細かな資料が多いので、点数はかなり多いのです。
一日では撤収できないのではないかと心配しましたが、なんとか片づけ終わりました。
現在展示ケースの中はからっぽです。
今日はこれから壁面などの設置を行い、いよいよ展示作業に入ります。
まず、最初に展示するのは、露出展示する宗茂の甲冑と金甲です。
本日展示した状態で写真撮影を行うため、一番に展示します。
この写真は11月20日発売予定の展覧会図録に掲載いたしますので、どうぞお楽しみに。
タグ: 展示替
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2010/11/5
特別展開会に向けての準備もいよいよ大詰めです。今回の展示では御花史料館所蔵の資料だけでなく、他所からお借りする資料もあるため、今週は主に展示資料の集荷を中心に準備を進めました。
来週からは、いよいよ展示作業に入ります。
月曜日から史料館を臨時休館し、現在展示している資料を撤収した後、特別展への入れ替えを行います。
臨時休館日は11月8日(月)〜12日(金)までの5日間です。
数百点にのぼる雛人形と雛調度もすべて収納します。
展示ケース内には壁などを立て込み、展示演出を行いますので、今までの常設展示とは全く違った雰囲気になります。
照明も現在より暗めに設定する予定です。照明の変更は文化財保護のためであり、同時に展示の演出効果を高めるためでもあります。
周囲を暗くすることによって、より作品に集中して展示をご覧いただけるようになるのではないかと思います。
同時開催の「諏訪原寛幸 戦国武将イラスト展」も、着々と準備が進んでいます。立花宗茂を中心に、宗茂と関係の深い武将や同時代に活躍した武将など、合わせて25点のイラストパネルを展示する予定です。
こちらもどうぞお楽しみに。
タグ: 宗茂プロジェクト400
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2010/11/2
宗茂の軍扇にあらわされた杏葉紋
立花家の御定紋といえば「祇園守紋(ぎおんまもりもん)」ですが、初代藩主立花宗茂が使用していた家紋は何かご存知でしょうか?
答えは「杏葉紋(ぎょうようもん)」です。
この杏葉紋は豊後大友家の家紋であり、立花家は名門大友家より杏葉紋の家紋を使用することが許された「同紋衆」でした。
宗茂も元は大友家に仕える武将であり、秀吉によって柳川に領地を与えられ大友家から独立した後も、この杏葉紋を家紋として使い続けていました。
その後、立花家は祇園守紋を家紋として用いるようになりますが、杏葉紋を使わなくなったわけではなく、時に両者を併用することもありました。
立花家に代々伝来する軍旗(複製?)にあらわされた杏葉紋
同じ杏葉紋といっても宗茂以前に立花家で用いられていたと思われる杏葉紋と、宗茂の所用品にあらわされた杏葉紋、そして2代藩主忠茂以降に用いられた杏葉紋では、かたちが違うようです。
今回の特別展では、たくさんの武具や調度を展示する予定ですが、その中には様々な家紋のかたちを見ることができます。
その家紋のかたちをよく見ていくと、道具の所用者や時代により、少しずつ違いがあることが分かります。
本当に微妙な違いのものもありますので、よく見比べないと分かりませんが、そのかたちの変化が一体何を物語っているのか、興味はつきません。
ちなみに、右上の写真が宗茂の使用した杏葉紋、右下がおそらく宗茂以前に用いられていたと思われる杏葉紋です。
こうして並べてみると、違いが一目瞭然です。
皆さまも特別展にお越しになった際は、是非家紋のかたちに注目してみてください。何か新たな発見があるかもしれません。
タグ: 家紋
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