2010/10/29
PHPの小説・エッセイ文庫「文蔵」で、山本兼一先生の新連載「まりしてん誾千代姫」がはじまりました。
誾千代といえば、立花家初代・戸次道雪の息女で、わずか7歳で立花城の城督となった人物です。
立花宗茂はこの誾千代の婿養子となって、立花家の家督を継ぎました。
誾千代を主人公とした小説となると、最も気になるのは宗茂との仲がどのように描かれているかですが、この小説では二人の関係について、一般に流布している通説とはまったく違った解釈がとられています。
宗茂と誾千代と言えば、二人は不仲であったというのがこれまでの通説でした。しかし、本当にそうだったのでしょうか?
実は誾千代に関する資料は、まったくと言ってよいほど残っておらず、実際に誾千代がどのような女性であったのか、また、宗茂との関係がどのようなものであったのか、確実に分かる資料はないのです。
小説「まりしてん誾千代姫」では、宗茂と誾千代は非常に仲むつまじい夫婦であったということが、冒頭から語られています。
誾千代は晩年、宗茂と別居していたという事実があり、これが不仲説の根拠となっているものと思われます。
その一方で、誾千代が非常に愛情深い女性であり、宗茂のことを思いやっていたという言い伝えも伝わっているのです。
二人は不仲であったのか、それとも二人の別居には何か別の理由があったのか、本当のところはだれにも分かりません。
いずれにしても、従来の小説とは全く異なる方向からアプローチされている山本先生の「まりしてん誾千代姫」。物語はまだ序盤であり、これからどのように展開していくのか分かりませんが、続きがとても楽しみです。
タグ: 山本兼一氏, 書籍
Posted in 一般 | まりしてん誾千代姫 はコメントを受け付けていません
▲ページの先頭へ
2010/10/23
特別展「立花宗茂」開催まで、あとわずかとなりました。
本日は展覧会のみどころについて、ご紹介します。
今回の展覧会の目玉は、なんといっても立花宗茂の具足の露出展示です。
宗茂所用の具足1領を露出展示し、その周囲に金甲数十頭を並べる予定です。
金甲とは桃の実をかたどった桃形兜(ももなりかぶと)に金箔を押したもので、立花家には同種のものがなんと239頭伝わっています。どうやらこの兜は藩主の馬回りを固める一隊にそろって着用させたもののようです。
古いものは桃山時代までさかのぼりますので、宗茂の出陣の際にも、この金甲を着用した兵士が、ずらりまわりをかためていたのでしょう。
宗茂の甲冑の露出展示は初めての試みであり、一体どのような展示になるのか、私たちも楽しみです。
そのほかにも見所満載の特別展「立花宗茂」。11月13日から開催されますので、是非ご来場ください。
タグ: 金甲
Posted in 特別展「立花宗茂」 | 特別展のみどころ はコメントを受け付けていません
▲ページの先頭へ
2010/10/22
先週、西鉄福岡駅のイベントブースにおいて、特別展「立花宗茂」のPR活動が行われました。
このイベントは西鉄、南海電鉄、和歌山県九度山町、柳川市の共同PRキャンペーンで、九度山町からは真田幸村の甲冑隊が、柳川からは立花宗茂の甲冑レプリカと古武道隊が参加しました。
実は立花宗茂と真田幸村は同じ1567年生まれ。同じく1567年生まれの伊達政宗らと比べると宗茂の知名度は決して高いとは言えませんが、この特別展を契機に、宗茂の知名度が少しでも上がればいいなと思っています。
その後、博多のぽんプラザホールで公演された「雷神の足」を観賞してきました。劇中の「雷神」とは雷を切ったという伝承をもつ大友の将、戸次道雪のことですが、その道雪の輿をかつぎ、文字通り「足」となって活躍した人々を描いた物語でした。
道雪の輿の担ぎ手として、博多の祇園山笠の舁き手を登場させている点がユニークです。
また、登場人物それぞれが生き生きと魅力的にあらわされ、演出もあっと驚く仕掛けが施されており、とても楽しめました。
地元柳川の人々にも、是非見ていただきたい作品です。
タグ: 宗茂プロジェクト400, 池田商会
Posted in 特別展「立花宗茂」 | 西鉄イベント&「雷神の足」観賞 はコメントを受け付けていません
▲ページの先頭へ
2010/10/12
今週末、福岡市博多区のぽんプラザホールで、戸次道雪を題材にした演劇、「雷神の足」が上演されます。
ご存知の通り、戸次道雪は立花宗茂の養父であり、柳川・立花家の初代当主です。落雷によって下半身が不自由となったため、戦場では輿にのって指揮を執ったという伝説がありますが、本作品のタイトルもこの伝説にちなんだものと思われます。
ちなみに、一般には「立花道雪」の名前で知られていますが、道雪が生前に「立花」姓を名乗ったことはないようです。
これは、大友宗麟にたびたび反旗を翻した立花家の姓を名乗ることを、道雪が憚ったためといわれています。
柳川・立花家の初代ですので、立花道雪と表記したいところですが、上記のような理由から、当館では戸次道雪(あるいは戸次鑑連)と呼んでいます。
ややこしいですね。
このように、衰退する大友家に忠誠をつくし、最後まで支え続けた将、戸次道雪の登場する「雷神の足」が、10月14日〜10月17日にかけて、ぽんプラザホールで上演されます。
最終日、17日のチケットは好評につき、すでに完売したそうです。
私も台本を拝見いたしましたが、とても面白そうな設定で上演が楽しみです。
公演情報は下記のとおりです。
なお、詳細は(劇)池田商会様のサイトをご覧ください。
http://www.geki-ikeda.com/
(劇)池田商会 第十回本公演 瀧猫亭「雷神の足」
作・演出 瀧本雄壱
日時:
10月14日(木)19:00〜、15日(金)19:00〜、16日(土)13:00〜、19:00〜、17日(日)13:00〜
会場: ぽんプラザホール(福岡市博多区祇園町8-3)
問い合わせ: info@geki-ikeda.com
タグ: 池田商会
Posted in 一般 | 雷神の足 はコメントを受け付けていません
▲ページの先頭へ
2010/10/9
福岡県立香椎工業高校様から立花宗茂甲冑のレプリカを借用しました。
この甲冑は、香椎工業高校の生徒さんが授業の一環として製作されたもので、鋼板等を加工して作られており、重さもなんと15kgあります。
複製したのは、御花史料館所蔵の「鉄皺革包月輪文最上胴具足」。
担当の先生のお話によると香椎工業高校の電子機械科では、数年前から毎年1領ずつ、甲冑を製作されているとのことで、おととしの甲冑は直江兼続、そして昨年が立花宗茂でした。
御花スタッフの一人が試しに着用してみました。
着た感じは想像していたものよりは軽いとのですが、長時間着用するのはやはり大変そう。
本物の甲冑は胴の部分だけで12kgありますので、考えただけで気が遠くなります。
今月16日には、このレプリカの甲冑を着て、西鉄福岡(天神)駅にて特別展「立花宗茂」のPRを行います。
場所は西鉄福岡駅の北口改札前広場、時間は11時から15時までです。
和歌山県の九度山町からは、真田幸村の甲冑隊もやってきます。
お近くにお住まいの方は、是非10月16日に西鉄福岡天神駅まで足をお運びください。
お待ちしております。
タグ: レプリカ甲冑, 宗茂プロジェクト400
Posted in 特別展「立花宗茂」 | 宗茂甲冑のレプリカ はコメントを受け付けていません
▲ページの先頭へ