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北原白秋が詠んだ”殿の紋”-柳川藩主立花家の「祇園守紋」

2025/7/23

柳川が育んだ“詩聖” 北原白秋(1885–1942)の数多の作品のうち、わたしのお気に入りはこの一首です。


祇園守

殿の紋
祇園守を
水草の何の花かと
われら夢みき

北原白秋・田中善徳『水の構図 水郷柳河写真集』より



『水の構図』は、北原白秋の詩や短歌に、彼の門下生であった 田中善徳の写真を組み合わせた、当時としてはめずらしく先駆的な「写真詩集」です。
白秋の没後、昭和18年(1943)に刊行されました。






巻頭の「遺書にも似たはしがき」は、「水郷柳河こそは、我が生れの里である。この水の柳河こそは、我が詩歌の母体である。この水の構図この地相にして、はじめて我が体は生じ、我が風は成った。」という一節から始まります。

北原白秋 著 ほか『水の構図 : 水郷柳河写真集』,アルス,昭和18.
国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。



詠まれている「殿の紋 祇園守」とは、柳川藩主立花家の御定紋「祇園守紋 ギオンマモリモン」のことです。



立花家史料館では、柳川藩主立花家に伝来した美術工芸品を展示しています。
つまり、館内のあちこちで、立花家の家紋として正式に定められた「祇園守紋」を見つけることができるのです。

目にするたびに「まさに言い得て妙」と、“詩聖”北原白秋の秀逸な抒情に感服してしまいます。



現在も立花家で受け継がれている御定紋「祇園守紋」の由来や、歴代藩主との関わりについては、当館館長が動画で詳しく解説しています。
立花家史料館あげての渾身の作ですので、ぜひご覧ください。

近世大名立花家の御定紋・祇園守紋
【立花家の家紋】後編

➡️ 【立花家の家紋】前編 「立花家のルーツを示す杏葉紋」



柳川藩主立花家の家紋は変化に富んでいて、その多彩さは他家に類をみません。
せっかくの魅力あるバリエーションを活かして、立花家の家紋の缶バッジを作ってしまいました。

「立花家の家紋缶バッジ【全11種】」 は ⬇️ で購入できます






お気に入りのひとつを選ぶもよし、いくつか揃えて並べるもよし。
柳川を故郷とする白秋に思いをはせながら、お楽しみいただければ幸いです。



【ココまで知ればサラに面白い】
普段の解説ではたどりつけない、ココまで知ればサラに面白くなるのにと学芸員が思うところまで、フカボリして熱弁します。
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【国宝】「短刀 銘吉光 」刀身大ポスター-立花家史料館オリジナルグッズ

2025/7/21

人気の刀剣ゲームが始まってから、早くも10年。

このゲームが登場する以前とくらべると、 刀剣をテーマにした展覧会は飛躍的に増え、鑑賞のスタイルや楽しみ方も実に多様になりました。
そして何より、刀剣を愛する同好の士が着実に増えている現状を、心から嬉しく思っています。


せっかくのビッグウェーブ、 ありがたく楽しく便乗する10年の日々。
刀剣グッズのバリエーションも本当に豊富になり、個人的な購買欲を満たしつつ、あわよくば館務にも活かせないかと、ひそかに目を光らせてきました。


以前のブログでもふれましたが、 刀剣をモチーフにしたグッズは、その姿形ゆえに、どうしても制作の難易度が高くなります。

可能な限り、刀剣本来の美しさをグッズでも表現したいところですが、これまでに購入してきたグッズ類を見ても、あの細長い姿をうまく“魅せる”ために御苦労されている様子が伝わってきます。

刀剣を”いい感じ”にグッズ化するには、形状による制約は避けられないのです。

雷切丸オーロラキーホルダー」と 「脇指 無銘(雷切丸)」



では、【国宝】「短刀 銘吉光 」なら、どうでしょう?

まず、短刀であるという点で、グッズ化映えするポテンシャルがあります。

スッキリと澄みきった刃文、 まばゆいばかりに輝く地鉄。
そして【国宝】たる所以のひとつ、 制作当初のまま研ぎ減りなく維持しつづけてきた、ムチムチのプロポーション。
まさに刀剣界のフォトジェニック☆スター。



いろいろと考えましたが、最初に作るべきは、ありのままの魅力を過不足なく伝えられる「刀身大ポスター」ではないでしょうか。

【国宝】短刀 銘 吉光 刀身大ポスター 税込300円


学芸員のサガとでも申しましょうか、わたしもついつい刀身大ポスターを買ってしまいます。
刀剣を展示室で見比べるのは難しいですが、刀身大ポスターならこんなふうに、並べて比較もできちゃいます。







「【国宝】短刀 銘 吉光 刀身大ポスター」で、こんなこともできちゃいました。



「【国宝】短刀 銘 吉光 刀身大ポスター」 は、立花家史料館の受付のみでお求めいただけます。

受付で購入される際は、 A4クリアファイルを2枚をご持参いただけますと、折れや汚れを防いで、安全にお持ち帰りいただけます。



九州国立博物館の特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」で「【国宝】短刀 銘 吉光」を鑑賞する前に、当館でポスターをGETして心の準備をしつつ、「脇指 無銘(雷切丸)」を堪能するもよし。
九州国立博物館の特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」で「【国宝】短刀 銘 吉光 のスターぶりに圧倒された後に、当館でポスターをGETして余韻を思い出しつつ、「脇指 無銘(雷切丸)」を堪能するもよし。

どちらのタイミングでも、九州国立博物館の特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」をきっかけに、立花家史料館へもお越しいただけましたら幸いです。


2025夏★
九州国立博物館&立花家史料館を巡るおでかけ、いかがですか♪

九州国立博物館は西鉄太宰府駅から徒歩 🚶 約10分、
立花家史料館は西鉄柳川駅からタクシー 🚕 約10分と、
両館とも西鉄沿線(西鉄太宰府駅 🚋 西鉄柳川駅は乗換ありで約50分)にあります。

名刀に出会って、 歴史にふれて、のんびり電車にゆられる夏のプチトリップ…… 西鉄柳川駅から立花家史料館へはバス(1時間に1本ほど)やお堀めぐりの舟も選べますので、意外に気軽にめぐれるはず …… です。


ささやかなオマケと共にお待ちしています。

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立花宗茂FACE手ぬぐい-立花家史料館オリジナルグッズ

2025/7/18

立花宗茂FACE手ぬぐい

その名のとおり、立花家史料館が所蔵する肖像画をもとに、大胆にデザインされた柳川藩初代藩主・立花宗茂の“顔”をあらわした“手ぬぐい”です。

「【宗茂の顔】手ぬぐい」 ⬇️ で購入できます








デザインのもととなった肖像画の話はコチラ。



この手ぬぐいは、株式会社ナカニ(大阪府堺市)の「手ぬぐい専門店にじゆら」にて、職人が手で染める「注染」という技法で染め上げられました。


「注染 チュウセン」は、明治時代の大阪で生まれた染色技法です。
型紙で柄の部分を防染し、染料を上から注いで染めることで、布の両面が均等に染まります。
柄が鮮やかで色褪せしにくい点が特長で、グラデーションやぼかし、深みのある色合いが美しく表現できるため、昔から手ぬぐいや浴衣などによく使われてきました。



……私のにわか知識であれこれ語るよりも、「手ぬぐい専門店 にじゆら」の公式ホームページをご覧いただくのが早いかもしれません。



注染の工程は、動画でも紹介されています。

「注染手ぬぐい にじゆら~cinematic movie~」
YouTubeチャンネル「注染手ぬぐいにじゆら」




注染で染められた手ぬぐいは風合いがとてもよく、洗うたびに色合いは柔らかさを増し、肌触りもよくなります。



例えば、キッチンの小窓のカーテンに。
やさしい透け感が、お部屋を明るくおしゃれに演出してくれます。

実際の活用例




あなたの暮らしに、宗茂の“もみあげ” を‼️



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「雷切丸」をお手元に-立花家史料館オリジナルグッズ

2025/7/5

立花家史料館では現在、「脇指 無銘(雷切丸)」を展示しています。

「脇指 無銘(雷切丸)」 は、その名のとおり戸次道雪が雷を切った刀として、柳川藩主立花家に伝来しました。



気がつけば「雷切丸」は、私たちも驚くほど多くの方にその名を知られ、実際にその姿を見たいと望まれる存在となっていました。
近年はとくに、立花家の宝刀としての輝きが、いっそう際立ってきているように感じます。


そうだ!皆さまのお手元で可愛がっていただける憑代を作ろう!



刀剣をモチーフにしたグッズは、その姿かたちゆえに製作の難易度がどうしても高くなります。
できるだけ実物に寄せた形状にしたいところですが、 他館の例を拝見しても、あの細長い姿を魅せるのに大変ご苦労されているのが伝わってきます。


幸いなことに、「雷切丸」は地鉄や刃文の繊細さよりも、姿そのものの美しさが抜群。シルエットだけでも十分に魅力が伝わると信じます。

実際、無銘になるまで摺り上げられているので、制作当初よりかなり短くなっているはずですが、今の姿もシュッとしていて、何といっても持ちやすい!
何もかもがちょうどよく、手にしっくり馴染む感じがするのです。
(あくまでわたし個人の感想です)



とはいえ、小さな史料館がオリジナルグッズを作るには、さまざまな高いハードルが立ちはだかります。
熟慮を重ねた末に、オーロラのように光の角度で表情を替えながら輝く、アクリル製のキーホルダーが完成しました。

当館の微力では、刀のシルエットを輝かせることはかないませんでしたが、
背景のキラキラに「雷切丸」本刀の煌めきを重ねていただけましたら幸いです。


「 雷切丸オーロラキーホルダー 」 は ⬇️ で購入できます




雷切丸オーロラキーホルダー ¥900 税込





雷切丸オーロラキーホルダー ¥900 税込

立花家に伝来する「脇指 無銘 雷切丸」の姿をデザインした、オーロラのように光の色を替えながら桃色、紫、青と輝くアクリルキーホルダーです。
サイズ(アクリル部分)w33㎜×H66㎜
※スタンドは付属しません









立花家御刀印「雷切丸」
¥300 税込

「脇指 無銘 雷切丸」の御刀印もあります。

立花家御刀印「雷切丸」 ¥300 税込

背景は、最後の柳川藩主藩主正室・純姫所用の打掛にあらわされた、稲妻の文様をとりいれてます。  サイズ A6判











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2025夏★柳川藩主立花家の宝刀を見るとささやかなオマケもらえます♪

2025/7/4

現在、 立花家史料館では、「脇指 無銘(雷切丸)」を展示しています。

そして、

九州国立博物館の特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」 に、立花家史料館蔵の【国宝】「短刀 銘 吉光」 を出品中です。


実は、
九州国立博物館は西鉄太宰府駅から徒歩 🚶 約10分、
立花家史料館は西鉄柳川駅からタクシー 🚕 約10分と、
両館とも西鉄沿線(西鉄太宰府駅 🚋 西鉄柳川駅は乗換ありで約50分)にあります。

せっかくならどちらの刀剣もご覧いただきたい…ということで、ささやかなキャンペーンを考えました。



雷切丸の展示期間中、立花家史料館にご入館いただき、下記のいずれかに該当される方に、 ✨ポストカード「雷切丸」「吉光」ペアセット✨を贈呈いたします。

立花家史料館オリジナルポストカード

🎁 対象となる方:
「九州の国宝 きゅーはくのたから」展のチケット半券をお持ちの方
「九州の国宝 きゅーはくのたから」展へ行かれるご予定があり、
   当館のLINE公式アカウントをお友達登録してくださった方

立花家史料館の受付スタッフに、対象である旨をお知らせください。
📌 当日の混雑状況により、少々お待ちいただく場合もございます。



「脇指 無銘(雷切丸)」も 【国宝】「短刀 銘 吉光」 も、どちらも柳川藩主立花家で大切に伝えられてきた宝刀です。

「脇指 無銘(雷切丸)」 は、その名のとおり戸次道雪が雷を切った刀として、柳川藩主立花家に伝来しました。



【国宝】「短刀 銘 吉光」は、立花山城を築いた立花貞載が武勲の褒賞として、建武3年(1336)に初代室町幕府将軍・足利尊氏より拝領したという逸話が残されています。
天正9年(1581)頃には、大友宗麟の意を受けて大友一族の名門・立花氏の名跡を継いだ戸次道雪に授けられ、立花家に伝来しました。



柳川藩主立花家の宝刀2口をじっくり堪能した上で、 さらに “オマケ”もゲットできるチャンスです✨

2025夏★
九州国立博物館&立花家史料館を巡るおでかけ、いかがですか♪

名刀に出会って、 歴史にふれて、のんびり電車にゆられる夏のプチトリップ…… 西鉄柳川駅から立花家史料館へはバス(1時間に1本ほど)やお堀めぐりの舟も選べますので、意外に気軽にめぐれるはず …… です。


ささやかなオマケと共にお待ちしています。

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立花宗茂の甲冑を、表も裏も細部まで知りたいときは?

2025/6/5

現存する立花宗茂の甲冑は「 鉄皺革包月輪文最上胴具足」と「伊予札縫延栗色革包仏丸胴具足」の2領

どちらも立花家史料館が所蔵しています。



この2領について、表も裏も細部まで知りたい方にオススメするのが ⇒

立花家史料館オンラインLIVEツアー
第1回【立花宗茂の甲冑大解剖】 伊予札縫延栗色革包仏丸胴具足

立花家史料館オンラインLIVEツアー
第2回 【立花宗茂の甲冑大解剖Ⅱ】鉄皺革包月輪文最上胴具足



しかし、第1回 2023年1月27日・第2回 2023年6月2日 の配信後は、ご覧いただける機会がありませんでした。



2025年6月22日までの期間限定!
立花家史料館オンラインLIVEツアー過去9回分のアーカイブを視聴できる(視聴期間~2025年8月31日)チャンス到来!

オンラインLIVEツアー/見逃し挽回お得パックを販売中!!

アーカイブ映像は、配信映像に適宜解説字幕とインサート映像が追加されていますので、配信時より分かりやすくなっています。



クラフトビール🍺「伯爵エール」を片手に、NHK大河ドラマ「べらぼう」から50年後の江戸の大火 🔥 を描いた絵巻に没頭したい方には、リアルタイムで楽しめるオンラインLIVEツアーをオススメします✨
こちらも第10回記念特典として、 過去9回+今回分=全10回分のアーカイブ視聴リンクが付いてきます。

これまで見逃してしまった方も、
もう一度見たいという方も、この機会にぜひご覧ください!!








では、第1回・第2回【立花宗茂の甲冑大解剖】をプレイバック

まずは予習がわりにコチラ ⇒




2023年1月27日は1時間、第2回 2023年6月2日は2時間弱の配信でしたが、どちらも当館の植野館長が、 表も裏も、微に入り細に入り、 解説しています。
ここまで丁寧に観察したり説明されたりする機会は、 学芸員でさえ滅多に経験することはありません。

私事ですが、立花家史料館の学芸員という立場にあって良かったなぁと、配信を見ながらしみじみ思いました。とてもとても勉強になりました。



2冊合わせて全40ページをフルに使い、宗茂の甲冑2領だけを徹底解説するB6判オールカラーの冊子は、 オンラインツアーがなければ、当館でも制作には踏み切れなかったほどの濃い内容となっています。

だからこそ、この2冊を一読するだけでも、甲冑への観察眼が磨かれ、他の博物館で見る他の武将の甲冑がより一層面白く感じられるようになっているはずです。

もちろん、さらにオンラインLIVEツアーのアーカイブを見れば、 甲冑鑑賞がもっと楽しく、もっともっと深いものになるでしょう。



今回の販売は、第10回開催記念の特別な企画ですので、次回は……
ぜひこの機会をお見逃しなきよう、心よりお願い申し上げます。

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立花宗茂の遺愛の備前刀って?

2025/6/2

「立花宗茂の遺愛の備前刀」について知りたい方にオススメしたいのが ⇒

立花家史料館オンラインLIVEツアー
第8回【立花宗茂遺愛の刀剣と備前刀の魅力】

しかし、 2024年11月30日の配信後は、ご覧いただける機会がありませんでした。

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立花家史料館オンラインLIVEツアー過去9回分のアーカイブを視聴できる(視聴期間~2025年8月31日)チャンス到来!

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こちらも第10回記念特典として、 過去9回+今回分=全10回分のアーカイブ視聴リンクが付いてきます。

これまで見逃してしまった方も、
もう一度見たいという方も、この機会にぜひご覧ください!!








では、第8回【立花宗茂遺愛の刀剣と備前刀の魅力】をプレイバック

まずは予習がわりにコチラ ⇒


名物「波游兼光 」よりも「 兼光 無銘 2尺4寸5分 御刀 」 こそが立花家の重宝だという話



コチラの動画内では 「剣 銘長光」【重文】に肉薄して鑑賞することができます。

文化財多言語解説動画『重要文化財 剣 銘 長光 』[ 3:54 ] 立花家史料館




2024年11月30日の配信では、望月規史氏(九州国立博物館 主任研究員)と杉原賢治氏(備前長船刀剣博物館 学芸員)というスペシャリストが、当館所蔵の「剣 銘長光」「刀 無銘伝兼光」を中心に、「備前刀」について解説されました。

B6判オールカラー48頁の解説冊子では、当館所蔵の「備前刀」だけではなく、長船派の系譜や備前刀各派の主な作刀地まで紹介されています。

岡山県瀬戸内市にある「備前おさふね刀剣の里 備前長船刀剣博物館」と、福岡県柳川市にある「立花家史料館」との二元中継で配信された、およそ1時間半のオンラインLIVEツアー。
杉原さんが兼光屋敷跡に立って解説されたり、望月さんが「刀 無銘 兼光」 を鞘から抜き出して解説されたり、ライブ感あふれる場面は必見です。






今回の販売は、第10回開催記念の特別な企画ですので、次回は……
ぜひこの機会をお見逃しなきよう、心よりお願い申し上げます。

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初代柳川藩主・立花宗茂はいつから“西国無双”となったのか

2025/2/6
立花宗茂[1567~1642]
LINEスタンプやってます

近年、“西国無双”という誉め言葉とともに紹介される場面がとても増えた、 初代柳川藩主・立花宗茂。










“西国無双” =「西日本に並ぶものがないほどすぐれている」と褒められているのでしょうが、戦国ご当地大名たちは「みんなちがって、みんないい」(by 金子みすゞ) という意味では、誰もが “無双” なのではないでしょうか。

なぜ殊更、立花宗茂が “西国無双” なのでしょう?




いまのところ、立花宗茂が “西国無双” とはじめて称されたのは、修史家の岡谷繁実が192人に及ぶ武将たちのエピソードを記した『名将言行録』[明治2年(1869)初版刊行]だと推測されます。

 該当箇所を引用します。

(天正)十八年二月朔日、諸大名伺候シケル時、[豊臣]秀吉[徳川]家康ニ問テ曰、今度ノ上京ニ本多平八[本多忠勝]ヲ召具セラレタルヤト云 折節今日是ニまかりあり候とて、御前ニ召出サル、秀吉[立花]宗茂ヲ召シ、彼レこそ東国ニ隠レ無キ本多平八ト云者なり、宗茂ハ西国無双ノ誉レ有レハ向後心ヲ通シテ、宗茂ハ西国ニ守護シテ、いよいよ忠を尽クシ、平八ハ家康ヲたすケテ東国ノ守護スベシ、東西ニ於テ無双ノ者ナレハ、我前ニ於テ対面ヲ許スト云ハレケレハ……

岡谷繁実 『名将言行録』巻之27 「立花宗茂」1869 玉山堂

※旧字体は新字体に、難読漢字の読みは平仮名に変換しました。

岡谷繁実『名将言行録』巻之27・28,玉山堂,明2(1869)  /「立花宗茂」3-32コマ
国立国会図書館デジタルコレクション〔 公開範囲:ログインなしで閲覧可能 〕

国立国会図書館デジタルコレクション を活用すると資料へのアクセスが驚異的にスムーズです。利用者登録をすればネット上で閲覧できる範囲がとても広がります



『名将言行録』 のこの場面は、天正18年(1590)2月1日と明記されています。
実際は、豊臣秀吉による後北条氏攻めの先鋒が出陣した日らしいのですが、諸大名が一堂に会する場面はなかったのではないでしょうか。


立花宗茂と本多忠勝とが「無双」と称せられる場面は、真田増誉が集録した『明良洪範』にも描かれていますが、すこし様子が異なります。
徳川氏と関連のある武将や家臣の事績を中心に収録される『明良洪範』の成立は、『名将言行録』より150年ほど遡るとみられているので、こちらが元となるのでしょう。

○ [豊臣] 秀吉公島津を征伐有て帰陣の後 立花宗茂を殊の外賞美せられ 若年なれども武勇は西国にて一人也と度々申出さる 神君[徳川家康] 御上京有し時 本多忠勝を召連られしやと有しに 御供の由申させ給へば 則召出され立花と引合せられ 両人東西にて無双の勇士天下の能固め也と賞せらる……

真田増誉『明良洪範』続篇巻之五 1912 国書刊行会

真田増誉『明良洪範 : 25巻 続篇15巻』,国書刊行会,1912.
国立国会図書館デジタルコレクション〔 公開範囲:ログインなしで閲覧可能 〕



実は、豊臣秀吉が立花宗茂を「武勇は西国にて一人也」的に褒める話は、現存する史料で確認できます。

オンラインLIVEツアー「戦国を駆け抜けた勇将 立花宗茂」解説冊子より



しかし、この書状での誉め言葉は「九州之一物」。
わたしたちは史料に則した「九州之一物」をアピールしていきたいのですが、「西国無双」のキャッチ―さに負けている感は否めません。



ところで、「九州の一物」のくだりは『名将言行録』にも書かれています。
岡谷繁実が参考文献として『立花戦功録』を挙げているので、そちらが反映されたのでしょうか。
▶️ 『名将言行録 巻之1』「名将言行録引用書目」
▶️ 安東省菴著『立花戦功録』 ▶️ 筑波大学附属図書館蔵「立花戦功録/附高麗記」国文学研究資料館 国書データベースより)

(天正十四年八月)二十五日高鳥井ノ城ニ押寄セ、半時ばかリカ内ニ攻破リ、星野兄弟ヲ打取リタリ、秀吉書ヲ賜ハリ其功ヲ賞セラル、又黒田宮木安国寺ヘ賜ハリシ書ニハ、立花ハ九州第一ノ者トソ仰下サル……

岡谷繁実 『名将言行録』巻之27 「立花宗茂」1869 玉山堂  7コマ

※旧字体は新字体に、難読漢字の読みは平仮名に変換しました。



ここまで『名将言行録』や『明良洪範』のエピソードを拾ってきましたが、描かれている宗茂はどこまで実像に近いのでしょうか?
そして、現時点での”立花宗茂”研究では、どのくらいのことが判明しているのでしょうか?


そんな疑問を抱いた貴方に朗報です‼

2月9日に開催するオンラインLIVEツアー【戦国を駆け抜けた勇将 立花宗茂】は、”立花宗茂”研究を代表するお二人、中野 等氏(福岡市博物館 総館長)と白石直樹氏(柳川古文書館 学芸員)をお迎えして、特別拡大版でお送りします。【終了しました】

◎当日のオンラインツアー内ではチャットにて直接質問ができます!
◎アーカイブ視聴のみの方をふくめ、事前にメールにてご質問を承ります‼ ⇒申込時に登録したアドレスからお送りください。
◎いただいたご質問は、時間がゆるす限りはオンラインツアー内にて回答しますが、時間内に対応できない質問は書面にて回答の上、全参加者の皆さまへお送りします。ご興味のある方は
➡️ 【終了しました】

⬆️ 所蔵品図録「戦国を駆け抜けた勇将 立花宗茂」 ¥660(税込)で販売中






今回のオンラインLIVEツアー【戦国を駆け抜けた勇将 立花宗茂】は、“西国無双” のオンラインLIVEツアーだと言っても過言ではないと自負しています。


2025年6月22日までの期間限定!

立花家史料館オンラインLIVEツアー全10回

アーカイブ&解説冊子をまとめてGET!

(視聴期間~2025年8月31日)



アーカイブ映像は、配信映像に適宜解説字幕とインサート映像が追加されていますので、配信時より分かりやすくなっています。

【第10回記念🎉】
オンラインLIVEツアー全10回見逃し挽回お得パック 

税込¥5,000




より強くおススメされたい方は、こちらのブログも要チェック!

【立花家伝来史料モノガタリ】
立花家伝来史料として大切に伝えられてきた”モノ”たちが、今を生きる私たちに語る歴史を、学芸員と読み解いていきます。
⇒これまでの話一覧  ⇒●ブログ目次●

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肖像画に描かれた初代柳川藩主・立花宗茂の“もみあげ”ふたたび

2025/1/30

令和7年1月15日「立花宗茂公祥月命日 大般若転読祈願法要」が、旧柳川藩主立花家の菩提寺である梅岳山福嚴寺(福岡県柳川市)にて厳修されました。



この法要は、福嚴寺ご所蔵の初代柳川藩主・立花宗茂の肖像画に見守られていました。

前回お話した立花家史料館所蔵の肖像画とも、京都の大徳寺大慈院ご所蔵の肖像画とも異なる画風ですが、立花家史料館所蔵の肖像画と同じく、印象的な長めの“もみあげ”はしっかりと描かれています。

⬆️ 京都の大徳寺大慈院ご所蔵の「立花宗茂肖像画」の話



過去には当館展示室にて、 福嚴寺ご所蔵の肖像画と当館所蔵の肖像画が並んだこともありました。

柳川古文書館と共催した立花宗茂柳川再封400年記念特別展
「復活の大名 立花宗茂」2020.1214~2021.2.7



宗茂が亡くなったのは、 寛永19年11月25日 。
カシオ計算機株式会社「生活や実務に役立つ高精度計算サイトkeisan」を利用して西暦に変換すると1643年1月15日です。

福嚴寺ご所蔵の「立花宗茂肖像画」は、 宗茂の没後半年がすぎた寛永20年(1643)5月25日に、家老の十時惟保(惟昌)が宗茂の「真影」を写させ、梅岳寺に寄進したものと伝えられます。以来、梅岳寺から福嚴寺と寺名を変えても肖像画は大切に受け継がれ、宗茂公法要の際に掲げられてきました。

描かれているのは、四位以上の正式な礼服である黒い束帯姿に、袈裟を簡略化した牡丹唐草文絡子をかけた、老年の威厳ある宗茂の姿です。
まさに国元の重臣が抱いていた宗茂の「真影」であると感じられます。



現存する幾つかの「立花宗茂肖像画」を見るだけでも、初代柳川藩主・立花宗茂の人物像が多面的であったことが想像されます。

では、現代のわたしたちは、宗茂の人物像にどこまで近づけるのでしょうか?



そんな疑問を抱いた貴方に朗報です‼

2月9日に開催するオンラインLIVEツアー【戦国を駆け抜けた勇将 立花宗茂】は、”立花宗茂”研究を代表するお二人、中野 等氏(福岡市博物館 総館長)と白石直樹氏(柳川古文書館 学芸員)をお迎えして、特別拡大版でお送りします。【終了しました】

◎当日のオンラインツアー内ではチャットにて直接質問ができます!
◎アーカイブ視聴のみの方をふくめ、事前にメールにてご質問を承ります‼ ⇒申込時に登録したアドレスからお送りください。
◎いただいたご質問は、時間がゆるす限りはオンラインツアー内にて回答しますが、時間内に対応できない質問は書面にて回答の上、全参加者の皆さまへお送りします。ご興味のある方は
➡️ 【終了しました】

⬆️ 所蔵品図録「戦国を駆け抜けた勇将 立花宗茂」 ¥660(税込)で販売中






今回のオンラインLIVEツアーは、1月8日のNHK『歴史探偵』「戦国ご当地大名シリーズ・立花宗茂」に出演した3名が一堂に会する希少な機会です。
『歴史探偵』放映後に不完全燃焼な想いを抱かれた方々に、 オンラインLIVEツアー【戦国を駆け抜けた勇将 立花宗茂】を強くオススメいたします。


2025年6月22日までの期間限定!

立花家史料館オンラインLIVEツアー全10回

アーカイブ&解説冊子をまとめてGET!

(視聴期間~2025年8月31日)



アーカイブ映像は、配信映像に適宜解説字幕とインサート映像が追加されていますので、配信時より分かりやすくなっています。

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税込¥5,000




【ココまで知ればサラに面白い】
普段の解説ではたどりつけない、ココまで知ればサラに面白くなるのにと学芸員が思うところまで、フカボリして熱弁します。
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肖像画に描かれた初代柳川藩主・立花宗茂の“もみあげ”

2025/1/8

新商品「宗茂の顔デイリーバッグ」はじめました。

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あらわされているのは、柳川藩初代藩主・立花宗茂の“顔”です。
立花家史料館が所蔵する肖像画をもとにデザインされました。

立花家史料館所蔵「立花宗茂肖像画」

肖像画が描かれたのは、宗茂の13回忌にあたる承応3年(1654)。
礼服である黒い束帯をまとう壮年の宗茂が描かれています。

印象的な長めの“もみあげ”は、実際の宗茂に似せたのでしょうか?

「立花宗茂」が全国的に有名になるとともに、この肖像画のメディア露出も年々増えつつあります。
しかし、実は近年までの約300年間、この当館所蔵の宗茂肖像画は誰にも知られていませんでした。



宗茂の13回忌から30余年が過ぎた、貞享5年(1688)。
宗茂の孫にあたる3代藩主・鑑虎は、新たに理想化された顔立ちの宗茂を描いた肖像画を作らせました。

このときの経緯については、20年前に立花家17代当主が語っていますので、是非ご一読ください。

立花家17代当主が語っているとおり、新しい肖像画は京都の大徳寺大慈院で大切に伝えられてきました。
廃棄予定だった元の肖像画は、ひっそりと柳川の立花家に伝来していたようですが、その存在は忘れ去られていました。


時はめぐり昭和62年(1987)、立花家の蔵(福岡県柳川市)で行われた本格的な学術調査で、元の肖像画は傷んだ状態で発見されます。
そして今から10年前、2015年「大関ヶ原展」での全国デビュー前に、補絹や剥落止めがほどこされ、大名の肖像画にふさわしい表具に改装されました。

⬆️ 10年前の修復の話

つまり、印象的な長めの“もみあげ”が描かれた当館所蔵の宗茂肖像画は、はからずも封印されてきたのです。



修復された当館所蔵の宗茂肖像画を見た、立花家17代の兄弟も、

「大慈院さん御所蔵の肖像画は、お参りのときに見せていただいていたけれど、これは今はじめて知った。随分ふっくらしているね。」

「もみあげが長い人だね。俺なんてもみあげがないから。」

と、“もみあげ”に注目していました。

立花家17代兄弟「宗茂」肖像画との3ショットはコチラ ⬆️



そして今、封印が解かれた印象的な長めの“もみあげ” がお洒落にデザインされ、スタイリッシュなデイリーバッグとなりました。


あなたの暮らしに、宗茂の“もみあげ” を‼️

SAMURAI FACEシリーズは「 手ぬぐい」もアリマス




オマケ:立花家18代目が語る「立花宗茂の肖像画」

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