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「直垂」の”袖のくくり方”~誾千代姫

2024/7/28

誾千代じゃ。
今回は我の華麗な”袖くくり3態”を披露する。

まずは、袖の形に注目してほしい。
我らの夏衣装「直垂」は「大袖」。
大きく袖口が開いているから「大袖」と呼ばれる。




毎週ドキドキの展開をみせる、2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』に登場する1000年前の公家たちの装束は、すべて「大袖」である。
彼らは「大袖」の表着の下に、袖口が小さい下着を身に付けておった。
この下着が「大袖」に対して「小袖」と呼ばれるようになる。



しかし、我らが生きていた450年前には、袖口が縫い詰められた「小袖」を、下着ではなく表着として用いるようになっておったのじゃ。

常とは違った魅力あふれる、我の輝かしい打掛姿をご覧あれ!

下に着ているのも、上に羽織っているのも、袖口が縫い詰められて袂が袋になった「小袖」なのじゃ。



「大袖」と「小袖」の違いは、こちらを見ると分かりやすいと思う。

懐かしいのう。
2021年6月26日 「よみがえる江戸の化粧ー紅の艶めきー」で、吉光の化身とともに舞った際の美しき思い出じゃ。
切り抜き元の動画も是非とも見てほしい。



そして本題、「直垂」の “袖くくり” じゃ!!

さきの動画のように、「大袖」は「小袖」より動きが華やかに見せられるが、さらに激しく動く時には少々邪魔になってしまう。
だから演舞の際、我と宗茂様は、袖口が邪魔にならぬよう引き絞っておる。

袖のくくり方の3形態を、ここでまとめて披露いたす。


まずは、「ひとりでできるもん」バージョン。



次は、少しばかり助けを借りて……



こちらの、袖抜きをして、左右の袖を背中でくくらせるバージョンは、蝶のように見えぬかの?



我らは、これらの “袖くくり” を、その時々の出陣で使い分けておる。
是非、実際に全形態を観察できるほど、我らに会いに来てほしい!

次回出陣8月11日を楽しみにしてくだされな!!
福岡県柳川市の立花家史料館にてお待ちしておりまする!

我らの活動をもっと知りたい方はコチラ







復活の武将・立花宗茂の正室であり、一次史料で確認できる「女城主」の希少な例でもある誾千代姫の生涯を、立花家史料館公式チャンネルにて紹介しています。

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答えあわせ~誾千代姫

2024/7/6

皆々こんにちは!誾千代じゃ!
毎日暑い日が続いておるが息災かの?








さて前々回のブログ「夏衣装~宗茂&誾千代姫」にて、

“夏衣装の我らの姿をよーく見てくだされな!
宗茂様と我誾千代の夏衣装は色違いであるが、もう一つ違うところがあるんじゃ!

ぜひ我らの姿を直接見て見つけてくだされな!”

と伝えておいたが覚えておるか?
宗茂様と我の夏衣装の違い見つけられたかの?



宗茂様と我誾千代の夏衣装の違い…

答えは、刺繍されておる”家紋”じゃ!



我らが使用しているのは同じ「杏葉紋」じゃが、似ているようで違うんじゃ!


「杏葉紋」とは、唐鞍の装飾金具「杏葉」の形を元にした家紋で、室町時代以来武家の家紋として多くもちいられました。豊後の有力守護大名であった大友家も「杏葉紋」を使用しています。
主の大友家から「杏葉紋」を下賜された家臣たちは「同紋衆」と呼ばれました。立花家も「同紋衆」であり、憧れの「杏葉紋」を誇りをもって身につけていたことが、残された伝来品から見て取れます。

立花家のルーツを示す「杏葉紋」について、さらに深く知りたい方には、こちらの動画をオススメします。





宗茂様の夏衣装の「杏葉紋」は、400年以上前に宗茂様が使っておられた武具類に残されている、こちらの「杏葉紋」。



我の夏衣装に刺繍されている「杏葉紋」は、こちらの軍旗の家紋じゃ。

400年以上昔の事ゆえ記憶が薄れ、我は自分の家紋を全く覚えておらぬのが惜しまれる……

江戸時代の軍旗(写し)にあらわされた「杏葉紋」

こちらの「杏葉紋」があわらされた軍旗は、制作年代が室町時代中頃に遡るとみられています。立花家にとって重要な軍旗であったため、江戸時代を通して繰り返し精巧な「写し」(複製)が作られました。
2020年12月からのクラウドファンディングにて、目標を大きく超える金額のご支援をいただいたことで、運営の継続に加え、長い時を経て展開できないほど傷んでいた大元の軍旗の修復が可能となりました。




ちなみに、我の夏衣装の「杏葉紋」があらわされた古き軍旗は、大変傷んでおったが、クラウドファンディングにてご支援をいただき、有り難くも修復することができた。

READYFOR  立花家史料館プロジェクト
軍旗の修復が完了しました。」2022.4.5



立花家に残されたひとつひとつが、当世まで大切に伝えられておる!
我らも当世の活動にて、これからも更に立花家の歴史を伝えて参る!

次回出陣7月21日を楽しみにしてくだされな!!
福岡県柳川市の立花家史料館にてお待ちしておりまする!

我らの活動をもっと知りたい方はコチラ







宗茂が使っていた「杏葉紋」や、立花家のルーツを物語る最古の軍旗「立花氏始祖の杏葉紋軍旗」について興味がある方には、こちらもオススメです

◆販売中◆ 「大友と立花、歴史の絆ー九州の名門が紡ぐ戦国史 」500円 (税込・送料別) 近世大名立花家ルーツは豊後の守護大名大友家に深く関わっています。西国大名の名門武家であった大友家の歴史と近世大名家として唯一その歴史を受け継いできた立花家の繋がりを、重要文化財「大友家文書」「立花家文書」そして、大分県立先哲史料館所蔵文書を使って紐解きます。 A5判オールカラー40頁




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